ハードル

これAmazonで注文しておいて。

 

親父から定期的にメールでURLが送られて来る。

 

自分で注文すればいいじゃん。

といつも思うのだが、親父は

「買うということに対するハードルを設けるため」

に、メールでURLを送りつけるという行為を挟んでいるのだと主張する。

 

ただのめんどくさがりだろ。

絶対。

 

ていうか絶対ハードルになってないし。

買いすぎ。

 

マーケットプレイスなど全く知る余地もない。

「発送は5日後みたい」

「え、Amazonなのになんでそんなに遅いの?」

マーケットプレイスだし。他の業者からもっと安く出てたからそっちにしておいたよ。」

「ありがとう」

 

今度は長靴を買うらしい。

おいしい

ジュクジュクになった果物が好きだ。

 

桃 バナナ 無花果 キウイ メロン 

 

ジュクジュクがいい。

腐っていそうな感じがいい。

 

逆に、放置してもジュクジュクにならず、

食べるタイミングを逃すと一気に腐ってしまう、

りんご みかん ぶどう

などは好き度合いがガクンと下がる。

 

いちごはどっちかな。

 

ジュースになると途端にジュクジュクになりにくい種類の方が好きになるの自分でも不思議。

 

 

みんな果物はジュクジュクが好きだと思っていた。

まだ、まだ食べない、明日だ。

いや、明後日だ。

とみんな我慢してより美味しいジュクジュクを、

よりジュクジュクを、ギリギリのジュクジュクを求めていると思っていた。

 

「シャキシャキの方が好き」

 

まさか。

そんなことが。

 

おいしい。

こんな単純なことでここまで違いが生まれるとは。

わたしとあなた

髪をバッサリ切った。

 

頭に残った髪の長さの方が短いくらいだ。

 

なぜか昔から長髪への憧れがあった。

何度か伸ばすことに挑戦したが、

耳が隠れるか隠れないかの長さでいつも短く切ってしまっていた。

 

 

それは、長くなった髪が鬱陶しくなったからではなかった。

 

 

周りの人が一斉に攻撃してくるのだ。

「男なんだから髪短くしなよ」

「普通じゃない」

「何になりたいの?」

 

数年おきに髪を伸ばしたい欲が訪れ、伸ばしているのだが、

その時の周りの人間関係や環境に関係なく同じような攻撃が繰り返されてきた。

 

少し「普通」から外れ始めた人を見つけると、

普通に引き込もう、直そう、矯正しようと、

恐らく発言している本人も自覚しない自然さで攻撃してくる。

 

いつもはそこで心が折れ、切ってしまっていた。

今回伸ばした時も同じように攻撃を受けながらも順調に伸ばしていた。

 

耳は完全に隠れ、後ろで1つに結わえるくらいまで伸びていた。

既に周囲の人は攻撃にも疲れ、髪の長さについて触れることはなくなっていた。

 

しかし、冒頭で書いた通りバッサリ切った。

単純に似合わないと思ったからだ。

毎日少しずつ髪が伸び、毎日鏡で顔を見ているはずなのに、

毎回のように「これは自分か?」と見慣れない日々が続き、

それに疲れてしまった。

 

 

すると、驚くほどに

「やはり短い方がいい」

と皆が待ってましたとばかりに笑顔で褒めてくる。

長い時にはなにも言わなかった人も、

褒めるとなるとハードルが下がるのか、

ますます褒めてくる。

 

攻撃した甲斐があった。

そう思っているかもしれない。

 

なぜ「こういう人もいるんだなぁ」とならないのだろうか。

共感なんてしなくてもいいではないか。

なにが正解かなんて決めなくてもいいではないか。

私はわたし、あなたはあなた。

それではダメなのだろうか。

 

 

 

咄嗟に言葉が出ない

2018年11月23日

苦笑いするしかない。

急に話題を振られると、鯉のように口をモゴモゴするだけで、

なにも言葉が出てこない。

そこで会話は不自然に終わる。

どうしようもない感情に襲われる。

 

あの時はどう返答すればよかったのだろうか。

 

その時、頭の中には数個の返答が思いついてはいるのだ。

しかし、どの返答を口に出しても、悪口になってしまったり、

滑ったり、悪い方向に捉えられてしまうのではないだろうかと、

言葉で音として口から出てこない。

そうして、思いついた言葉を頭の中で選んでいる間に、

返答のタイミングを逃し、

苦笑いと言葉にならないモゴモゴが発生する。

 

咄嗟に言葉が出ないのだ。

 

なぜみんなあんなに簡単に挨拶ができるのだろう。

なぜみんなあんなに簡単にお礼が言えるのだろう。

なぜみんなあんなに簡単にお世辞が言えるのだろう。

 

音としてはうまく言葉にできないけれど、

文字としては言葉にできるんじゃないかと思って、

書き始めてみた。